愛媛大学電子物性デバイス工学講座半導体工学分野

白方研究室


変調分光法

 半導体に周期的に変化する電界を印加したり、温度を周期的に変化させたりしたときに生じる光反射率や光吸収係数の微小な変化をスペクトルとして記録する分光法です。 この分光法は主に半導体のバンド構造の研究に用いられており、バンドギャップエネルギーやエネルギー帯における帯端(あるいは臨界点のエネルギー)を求めることができます。 世の中で用いられている半導体のバンドギャップエネルギーの殆どは電界変調反射変調分光法(Electroreflectance)により求められたものです。 変調分光法の最も重要な長所は、誘電関数の微分形としてスペクトルが求められることです。 微分スペクトルを記録することにより非常に高分解能で精度良く帯端のエネルギーや臨界点の性質や形状(M0,M1,M2,M3特異点とか呼ばれていますが)を決めることができます。 最近では、エピタキシャル層の歪みをバンド構造から決定する為の手段としても使われています。 測定の形状としては透過法(光吸収)と反射法があります。 歴史的には透過法(光吸収)が古くから、Franz-Keldysh効果(電界印加による吸収係数がエネルギーの関数として振動的に変化する現象)の研究として用いられていました。 しかし透過測定では、基礎吸収端付近の測定しか容易に測定できない為、現在殆どの測定が反射測定配置で行われています(反射変調分光法)。

変調分光法は主に次のように分類されます。

電界変調分光法

波長微分分光法

温度変調分光法

ストレス変調分光法